測温抵抗体の国際規格の対応について


   当社からの測温抵抗体の最新のお知らせ(2012/4/2)

  
測温抵抗体の国際規格(IEC 60751)が2008年に改定されました。
日本では日本電気計測器工業会(JEMIMA)が日本規格(JIS C 1604/測温抵抗体)の見直し素案を作成し、現状、第三者、ユーザも参加した見直し委員会で、この見直し素案の検討を実施している段階で、当社も参画しております。

 
1.改定内容の要点
大きな変更点は、測温抵抗体に関する規格が抵抗温度計(センサ)と抵抗素子(感温素子)に区分して規格化。本資料では主に抵抗温度計の変更点をご紹介します。
(1)一般要求事項(General requirements)
  ・測温抵抗体に用いる抵抗素子を巻線抵抗素子と薄膜抵抗素子に区別。
  ・測温抵抗体のクラスの有効温度範囲と許容差が改定。 参照:IEC60751表3
  ・クラスが従来の2区分(A,B)から4区分(AA,A,B,C)。
  ・巻線型の測温抵抗体は通常1mAを超えず、自己加熱はメーカが宣言するクラスの許容差の25%を越えない値で
 なければならない。
       

                        新IEC60751表3のクラスAA,Aを抜粋
    クラス                    有効温度範囲(℃)      許容差(℃)
     巻線形測温抵抗体      薄膜形測温抵抗体
    AA        −50〜250       0〜150  ±(0.1+0.0017|t|)
    A        -100〜450      -30〜300  ±(0.15+0.002|t|)
    注)|t|は温度の絶対値(単位 ℃)


新IEC 60751では“1mA、AA級”を判定するには0℃での自己加熱が許容差0.1℃の25%、0.025℃以内でなければならない。1mAで0.025℃を超え、測定電流を0.5mAとすると超えない場合、0.5mA、AA級の温度計と判定できる。現行JISでは抵抗値が許容差内であればクラス宣言できたが、新IEC 60751では自己加熱が重要な特性として扱われる。


当社のシース測温抵抗体の構造的特長を、写真1と図1(a),図1 (b)に示します。
当社は、図のように抵抗素子を逆転形でシースに装着し、シース本来の強固に充填されたマグネシアで抵抗素子の自己加熱の放熱を促進しています。さらに素子周りに特殊な形状の充填材をつめて、さらに放熱や耐震性を高めています。その結果、当社のシース測温抵抗体はクラスAA,Aの有効温度範囲を拡大しました。有効温度範囲を拡大した結果を表1に示し、クラスAA,Aの温度特性例を図2(a)と図2(b)に示します。








 (2)出荷試験(Routine production tests for thermometers)
新IEC 60751の6.3.2項に、シースの健全性試験(Sheath integrity test)が加わりました。また、6.3.4項の測温抵抗体の許容差判定試験(Tolerance acceptance test)では、クラスAA,Aに対して、-5℃〜+30℃の温度1点の指示抵抗を試験することになりました。さらに、許容差の判定には、各測温抵抗体メーカ固有の校正の不確かさを含めて許容幅に入っているかを判定することとなりました。


当社では認定事業者(JCSS)の公的裏づけのある業界トップクラスの小さな校正の不確かさで許容差判定を行っております。測温抵抗体の最高校正能力の例を示します。
・ 水の三重点温度(0.01℃)の定点校正の不確かさ     0.005 ℃ (包含係数k=2)
・ ‐80℃〜+50℃の比較校正の不確かさ           0.018 ℃ (包含係数 k=2)




(3)形式試験(Type tests for thermometers)
形式試験は、「形式試験は測温抵抗体の固有のデザインと使用温度レンジごとにサンプルを製作して行う。試験は全てのサンプルに対して、指定の試験項目に細分化して行う。」と定義され、新規格で追加、変更された代表的な形式試験を以下に示します。


6.5.3 上限温度での安定度
最低4週間(672時間)以上、上限温度に保持後、0℃での抵抗値のずれ(ドリフト)が公示クラスの許容差を越えないこと。600℃上限での事例を図3に示します。




6.5.6 ヒステリシス
使用温度範囲の下限⇒上限⇒下限のヒステリシスを加え、2回の中間温度での測定値の変化が公示クラスの許容差を越えないこと。


6.5.5 温度サイクルの効果
温度上限値と下限値間を10サイクル実施後、0℃での抵抗値が公示クラスの0℃の許容差を越えてないこと。

他にも多数の試験項目があります。

当社では受け渡し試験結果を販売時に必ず提出します。形式試験結果はユーザ様のご要求に応じて試験結果を提出します。






        〒569-0835 大阪府高槻市三島江1-5-4 営業本部:Tel.072-678-3453(代) / Fax.072-678-3516 
        Copyright © 2000 Yamari Industries Limited. All rights reserved.