基礎知識
バリデーションについて
バリデーションとは
バリデーションは医薬品、医療用具GMP(Good Manufacturing Practice)省令に「バリデーションとは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書化すること。」と定義しています。この文書化した内容で標準器情報とのつながりを明確にする必要があり、その方法の1つとして前キャリブレーション、後キャリブレーションがあります。
温度バリデーション作業
温度バリデーション作業は以下のとおりです。
1.熱分布試験
ある参照標準でワーキングセンサを校正し、このセンサを使って実際の作業状態の熱分布を計測し、熱安定の状態を評価します。例えばEN554では本数12本/m3のセンサが必要になると規定しています。
しかし細かな作業手順の規定はなく、(1)温度負荷の条件が変わるたびに、再計測をする必要がある。(2)計測結果の再現性確認のため、繰り返しの試験を行う。と規定している程度です。
このような要求事項を理解した上で、作業手順を決め、試験を実行します。温度の計測精度として±**℃で、計測結果が連続して**分以上あること、オーバーシュートは**℃以内であること、等の判定基準を決めて試験をします。
2.熱浸透試験
液剤を入れたビーカを恒温槽に挿入した状態を想像してください。恒温槽は指定温度に到達し、ある時間経過したら恒温槽内全域の温度は期待の温度を達成していることでしょう。しかし内蔵したビーカの液剤温度、そしてその最深部はすぐには期待の温度には到達しません。熱浸透試験は、このような温度が浸透しにくいところであっても、期待の温度に到達することを確認する試験です。
これら温度計測は国家標準“JCSS ロゴ付きセンサ”にトレースを取ったワーキングセンサを使って行います。