基礎知識
測温抵抗体とは
金属導体の電気抵抗は、一般に温度によって変化します。この温度によって電気抵抗が変わるという性質を利用して温度を測るセンサを測温抵抗体といいます。
測温抵抗体の特長
工業用に使用されている測温抵抗体は、次のような特長をそなえています。
- 応答が速い。
- 安定性・再現性が非常に優れている。
- 高精度を得る事ができる
構造及び計測方法
測温抵抗体の構造
温度変化を電気抵抗の変化としてとらえる抵抗線を温度センサとして利用したものを測温抵抗体といいます。一般に測温抵抗体は、抵抗素子-内部導線-保護管-端子などから構成されています。
測温抵抗体の計測方法
- 2導線式・・・形式記号W
コストの点では他の形式に比べ安価ですが、導線抵抗の影響を受けるため高精度を要する測定には適しません。 - 3導線式・・・形式記号X
抵抗素子の一端に2本、他端に1本の導線を接続し、導線抵抗の影響を除くことができるようにした形式で、測温抵抗体を用いた工業用の計測では最も多く採用されている信頼性の高い計測方法です。 - 4導線式・・・形式記号Y
抵抗素子の両端にそれぞれ2本の導線を接続し、導線抵抗の影響をなくした形式で、2線式、3線式に比べてコストの点では高くなりますが、この中では最も精度の高い計測方法です。
使用上の注意
測温抵抗体は、用途に応じて適正なものを選定することが最も重要です。
温度を正しく測定するためには、抵抗素子の選定のほか、耐熱、耐食、耐震性を考慮した保護管の選定、構造及び取付の方法(位置)などに留意する必要があります。