ITS – 90 の定義定点を実現する金属定点セル
金属定点セルは、高純度の金属の凝固平衡温度によって ITS – 90 の定義定点を実現します。すべてのセルは、純粋金属が入った高純度グラファイト容器に校正すべき温度計を挿入するための孔が設けてあり、 ITS – 90 に基づく標準白金抵抗温度計の校正に適しています。
(注)鉛およびアンチモンは ITS – 90 の定義定点に定められておりません。
使いやすく汚染防止対策をした密封型セル
密封型セルは、グラファイト容器をさらに電融石英管で保護し、内部のガスを抜いたあとに不活性ガスを凝固平衡温度で 1 標準気圧になるように封入したものです。この構造により、使用中に金属の汚染が防止できるとともに、凝固時の液相一固相界面の周囲気圧の測定や補正計算が不要であり、また内部気圧を適正に維持するためのガス供給ラインも必要ないなど、多くのメリットが生まれます。
特別な問題がない限り密封型セルを使用されるようおすすめします。
(注)石英管を密閉した後に圧力を推測できても、実際に測定することはできません。
開放型セル
開放型セルは、基本的には密封型セルと同様の構造ですが、密封はされていません。ですから使用中にセルの温度が周囲環境より高い場合は、つねに厳密に測定し維持された圧力で浄化用酸素ゲッターを通じて不活性ガスの排出(亜鉛を除く)、パージ、注入等を行い、内圧力を設定しモニターしなければなりません。また、汚染に対しても厳重な注意を払う必要があります。
セルは多彩に使えるインコネル製バスケット付です
セルは取扱いを誤ると非常に破損しやすいものです。そこですべてのセルはインコネル製バスケット付で提供します。このバスケットは、セルの破損時に溶融金属を受け止める役割を持つとともに、セルを炉から吊り上げたり、端部の熱損失を抑えるためにセルの上に断熱材を充填する際の容器にもなります。また、保管用ケースとしても使用できます。
(注)セルをセットした状態で装置上部よりセル底部までの全挿入深さは 350 mmです。また、セル内の金属凝固点部の深さは 160 mmです。