事例紹介

ナフサ分解炉用温度センサ

  • 熱電対
  • 石油化学

ナフサは粗製ガソリンとも呼ばれる石油精製プラントで異なる温度や圧力で蒸留・分離して得られる石油製品の一つで、熱分解することで、エチレンやプロピレン等といった石油化学製品の基礎原料となります。

ナフサ分解炉は、コンベクション部(対流部)、クロスオーバー部、ラジアント部(輻射部)の3つの部分から構成されています。
原料となるナフサは次のように熱分解されます。
・コンベクション部での予熱および希釈水蒸気と混合
・クロスオーバー部で反応開始寸前の温度まで加熱
・ラジアント部の反応管(クラッキングチューブ)内に送られ、炉側壁に配列された輻射バーナーによる輻射加熱で熱分解

特徴

熱分解反応に伴い、副生成物であるコークが反応管内壁に層を形成し(コーキング)、反応管内の圧力損失を増加させると同時に熱伝導率をを低下させ、熱分解炉の稼働率を低下させます。
コーク層の成長すなわち反応管の熱伝導率低下に伴い、反応管外壁温度が上昇するため、反応管外壁温度(スキン温度)が管材質の許容上限温度を越えないように温度管理を行わなければなりません。また、コーキングにより反応管母材内部に炭素が固溶する浸炭と呼ばれる現象が起こり、反応管寿命の低下を招きます。分解炉のデコーキング時期はプラントの運転効率に対して大きな影響を与えるため、反応管出口温度(COT)を管理するために分解炉1基あたり数百台のCOTスキン熱電対が設置され当社の熱電対が活躍しています。