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サーバの復元

動作確認とパフォーマンステストを終えて

初めて採用する機能や新しい仕組みを導入する前には動作確認が必須です。通常は仮想化環境を構築してテストして、確認後は仮想化環境を削除するだけです。しかしパフォーマンステストの場合は想定される環境に近い機材を用意して実機テストをおこない、テスト後は使用した機材を元の状態に戻す必要があります。

魔法の言葉「もとい」。これが使えれば一瞬で元に戻るのですが、残念ながら魔法使いではないので頑張って元に戻すための作業をすることになります。元に戻すというと簡単そうですが、実際の作業は限りなく最初に近いものを作るというとてもクリエイティブなものになります。今回は特にいろいろなトラブルが待ち構えていました。

バックアップから復元を試みた

最初に思いつくのはテスト前に取っておいたバックアップを使うことです。これが適用できたらたちどころに元に戻ることができる夢のような手法ですが、「適用できたら」というこの語句が困難さを物語っています。おそらくバックアップを取った時とまったく同じ条件であれば間違いなく適用することができるでしょう。しかし条件が外れるにしたがって適用できる可能性は減っていきます。今回の場合は同じサーバ/同じ機器構成/同じ周辺機器なので大丈夫でしょう(おそらく・きっと・たぶん)。というわけでいざ復元!

エラーになりました。ブートモードが予期していたものと違うそうです。はい、確かにテストをする時に変えました。ごめんなさい。元に戻したので許してください。そして再実行。

エラーが出ました。今度はOS違いでした。コンピュータの復元メニューの選択肢が手順にあるものと違うので嫌な予感がしていたのですが、それが的中しました。ディスクの構成を初期化してRAID設定をおこないました。パーティションは自動的に設定するようなので細かいところは復元処理に任せてよさそうです。元のOSのDVDメディアを使ってコンピュータの復元メニューを出すところまで手作業で行いました。これで先に進めることでしょう。では再挑戦。

エラーのようです。OSは復元できましたがデータ領域が復元できていないようでした。データベースはデータ領域に入っていて、このサーバはこれがメイン機能なのに。復元ウィザードで選択できる項目は他にはなく、別途データベースを復元しなさいということのようです。手作業で続きを行おうとしたらなぜかデータ領域を作ることができなくなっていました。復元処理が何かやってはいけないことをやらかした(またはやるべきことを怠った)ようでした。これ以上先に進めなくなったので振り出しに戻ることになりました。

いろいろありましたが

最終的にうまく復元することができました。決め手は「ディスクの構成を初期化して」のところで完全に初期化した後、仮想ディスクを元のように正しく作成することでした。「仮想ディスクはパーティションとは違うのだよ」というせりふが聞こえてきそうです。確かにOSから見るとディスクは物理か仮想かを区別していない(区別できない?)のであらかじめ復元するディスクを準備しないとだめですよね。

かかった時間を考えると復元するよりもクリーンインストールしたほうが早かったのではないかと思いますが、実際の業務で使用しているサーバのトラブルで復旧する時の予行演習と考えると意味のある時間と作業だったのかなということで納得することにしました。