事例紹介

ボイラメタル用熱電対

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発電所の中心機器となるボイラは、燃料炊きプロセスやタービン向けの蒸気を生成しています。ボイラ内部にあるボイラチューブの内、特に重要な対象は(1)水壁管、(2)過熱器管および再熱器管であります。
(1)に関しては管内スケール付着による過熱、(2)に関してはガス側高温部の高温酸化腐食による減肉、および蒸気側高温部の水蒸気酸化スケールによる剥離閉塞等が問題となっております。その事故防止の為、化学洗浄法による内面スケールの除去が定期的に実施されています。
この洗浄時期を的確に把握し、実勢頻度を最小限にとどめる為、ボイラチューブのメタル温度を正確に把握する必要があります。

特徴

当社では、財団法人電力中央研究所殿のご指導により耐久性、測定精度ならびに取り付け加工の容易さを考慮した溝切り方式のメタル温度計を開発し、お客様にご愛用頂いております。
抜管頂いたボイラチューブの表面にシース熱電対を埋め込みますが、施工による温度のバラツキを無くすため、溝幅、深さを均一になるように加工を施し、シース熱電対を溝形状に沿わすように作業を行います。溝形状に合わせてシースを変形させる事により、溝とシース熱電対との間隙は極めて小さくでき、半径方向の熱流の乱れを少なくしております。したがって、メタル温度を良好な精度で測定する事が出来ます。