基礎知識

測定距離と測定径について

放射温度計で測定したい対象の測定距離に応じて、測定されるスポット径を知る必要があります。 この時に使用するのが、光路図です。

弊社のIN5+(Optics300)の光路図を例に説明します。光路図は、測定距離と測定スポット径を図に示したものです。

この図を見れば一目瞭然ですが、測定距離が300mmの時に、測定スポット径は6mmです。 ここで、焦点距離は、図上で測定スポットが絞られている位置で定義されます。

測定距離と測定スポット径について

この光路図では、測定距離が1000mmまでスポット径が図示されています。 実は放射温度計は、測定距離に制約はありません。これ以上の距離であっても、測定できます。 任意の測定距離における測定スポット径について計算する方法を示します。 (近似計算ですので、大まかな目安としてご利用下さい。) IN5+の例で計算します。上の図より以下の数値を読み取ります。 a :焦点距離 =300mm M:スポット径 =6mm D:アパーチャー径 =15mm (レンズ位置: a=0)

1)焦点距離より遠方a1の場合の測定スポット径M1は、

M1 = a1 a ( M + D ) – D

2)焦点距離より手前a2の場合の測定スポット径M2は、

M2 = a2 a ( M – D ) + D

で求めます。

ここでは、測定距離が2000mmの時の測定スポット径を求めます。 a1=2000の時は、a1>300 ですので、M1の式より

M1 = 2000 300 x ( 6 + 15 ) – 15 = 125

したがってスポット径は125mmとなります。

光路内の視野確保について

放射温度計の光路に対して、その範囲の視野を確保するのは、当然ですが、一般に精度や再現性を確保するために、光路スポット径に対して、1.5倍程度の視野の確保をお願いします。
この範囲内に視野を遮るものが無いようにして下さい。

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